子どもの頃、十分な愛を受け取れなかった人は、
大人になって「天邪鬼(あまのじゃく)」になってしまうことがあります。
素直になれなかったり、わざと反対のことを言ってしまったり。
愛されたいのに、拒絶してしまう。
それは、心の奥にある“恐れ”が原因かもしれません。
■ 愛されなかった記憶がつくる、恐れのパターン
「どうせ愛されない」
「素直になったら傷つくかもしれない」
「欲しいって言ったら、きっと否定される」
——そんなふうに思ってしまうのは、
過去に“愛されなかった”経験が心に深く残っているからです。
愛されたくて素直になった過去。
でも、その時に返ってきたのは無視や拒絶だった。
だからもう、期待しないように心が学習してしまったのです。
■ 保護犬のような、人の心
この話をすると、保護犬のことを思い出します。
虐待されたり、捨てられたりした犬たちは、
新しい飼い主のやさしさにすぐには応えられません。
「どうせまた捨てられる」
「もう信じない」
——そんな気持ちで、牙をむいてしまう。
でも、それは「悪い子」だからではなく、
心を守るための精一杯の態度なのです。
人間も、まったく同じです。
■ 本人の意識を変えるには、“愛される体験”が必要
たしかに、自分の意識を変えることが一番の近道です。
でも、そもそも「どう愛されていいのか」が分からない人もたくさんいます。
なぜなら、過去に愛された記憶がないからです。
だからまずは、“愛される練習”から始めてみるのがいいと思います。
たった一人のやさしいまなざし。
一度だけの、本気の「大丈夫だよ」。
そういう体験が、少しずつ、心の中の「恐れの記憶」を書き換えてくれるのです。
■ 自分でできる、小さな“練習”
周りからの愛がなくても、
まずは「自分自身」がやってあげることもできます。
- 毎日「自分ありがとう」と言う
- ミスしても「そんな日もあるよ」とやさしく笑ってみる
- 自分の心に「本当はどうしたかった?」と問いかけてみる
こうして、「誰かがくれるはずだった愛」を
自分自身が少しずつ与えていくことで、
「ひねくれ」や「人を信じられない」心は、ほんの少しずつ癒えていきます。
■ すべての癒しは、「わかってくれる誰か」から始まる
保護犬が、ある日を境に急に甘えてくるように、
人の心も、「わかってくれるとの出会いをきっかけに変わり始めます。
「その強がり、ほんとはさびしさから来てるんだよね」
「信じられなくても大丈夫。私はここにいるよ」
——そんな言葉が、本当に届く時があるのです。
その一人が、あなたの人生に現れた時、
あるいは、あなた自身が誰かにとって「その一人」になれた時、
静かに何かが変わっていきます。
■ 最後に
人との距離がわからない。
人を信じられない。
ひねくれてしまう。
そんな自分を「おかしい」と責めなくていいのです。
それは、愛されなかったことが原因でできた、心のかさぶた。
無理に剥がさなくていい。
少しずつ、やさしさをしみこませていけばいいのです。
あなたは、愛されていい存在です。
誰よりも、まずは自分がそのことを信じてあげてください。